わかさぎ

感じたことを書きます。

明太子遠征の思い出⛲️

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公園に行こうよ、だんだん目が冴えていろんなものが見えてくるから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホームへの入場券を握りしめて鈍行列車に乗って13時間。線路は続くよどこまでもがフィクションじゃないことを知った。

7世紀頃、唐の侵攻を憂慮して派遣された防人たちもこんな気持ちだったのかとちょっと思ったが、絶対に一緒にしてはいけない。彼らは歩いて九州まで辿り着いたし何より我々はエモな短歌は書けない。書けるのはせいぜいカスみたいなツイート。

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2回目の遠征

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ついに本州を出ることになった。しかも5泊。

愉快な遠征メンバーたち

超(スーパ)一門

✅風俗700即over くんにく

✅健常者擬態が上手い オガ

✅得意な層は〇〇〇の 二畳

✅ガタイの良すぎる オナ猿

✅失うもののない男 ふにゃぼし

情報商材屋さん ぼーちゃんまる

✅2022年界隈を震撼させた どーてーくん

(敬称略)(敬なんてないから)

(門長のマサキさんはお休み)

 

初日、到着したのが23時。相部屋は鉄道オタクの小川。早速準備をして🦎に向かう。

箱前で現地クラスタのみんなとkp

ガチイケの金木とサイコジュルマとアルファトトロはずっとお世話になった。みんな博多弁可愛すぎてずるいたい。俺もマスターして関西に帰りたかったっちゃ。

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そして🦎イン‼️

🦌よりちょっと狭い、音楽はEDM多めでたまにhiphopk-popが流れる感じ。再入が無料なのがアツすぎる。ホストメン地下系全然いない。周りのみんな全然ガンシカされてないしちゃんと和めば多即もできそうだ。これはかなり神箱かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終、🦎5連敗

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アシリパ一門を破門になる日も近いかもしれませんね。背が高すぎて誰も顔を見てくれませんでした。明太子の女もっと牛乳飲め。あと照明暗すぎ。🦌かそれ以下。

泥酔したイモさんが天井の設備にぶら下がってたの、腹が痛くなるほど笑った。あれで出禁にならない🦎はセキュリティ体制を見直した方がいいと思う。

一緒に来た人は半分くらい箱で勝ってた。そういえばこの人達はふざけてるけど、ガチイケで凄腕だった。メンブレで帰京して引退が少しよぎった。

🤓「これでおわってたまるか、まだ諦めるなわかさぎ‼️俺らならやれる‼️」

ずっと憧れていたどーてーくんが鼓舞してくれた。(本当はどーてーとくんにくとぼーちゃんはボズってたけど、もうやる気がないとかいって中洲の水着ガルバの話ばっかりしててGTしようとする僕を哀れな目で見てた。)

ローラーを開始して一声目でセパって奇跡的にコンビ即‼️とてもスムーズだった。

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ギラついてたらグループラインにこのメッセージ来て草。熱い男どーてーにみんな笑ってた。初日坊主回避!金木とトマラーを食べて寝る。

 

2日目、普通にボズ。二条が泥酔してハットきめててすごいなと思った。

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↑ガチイケの二条(画像はイメージです

 

3日目、ふにゃぼしと天ぷらを食べた。一般男性がナンパに出会って、ネットのフリー素材とになるまでの話を聞いて思わず涙が出た。

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ストをちゃんとやろうと7時から街に出る。百貨店から駅に繋がる通りをローラー。インナーカラーの可愛い普通の女子大生ヒット。2人で公園に。

明太子には警固公園という公園がある。遊具はそんなにないけど広場があってベンチがたくさんある。開放感があって、周りのビルは高いのも相まってスタイリッシュ。ここが天神で1番空気が汚い場所というので驚き、明太子の人は一回🐙Mに来て欲しい。たぶん肺に後遺症を患うと思う。

公園で他愛もない話をする。🦑(佐賀)から美容室に来る時だけ明太子に来るらしい。あえて関西弁が出るよう意識して話した。食いつきは分からなかったけど搬送するとノーグダ即。今回の遠征で1番シコくて可愛らしかった。ただ名前が某きゃんたま大好き故クラスタ(侍代表)と同じでなんか複雑。でもそんなんどうでもいいくらいいい子で癒された。

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この日は火の国クラスタも遠征に来てた。やっとちょぱくんと会えた。火の国は重度のアル中じゃないとアカウントを作ってはいけないらしい。

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この日はGTでも即った。その間にみんなは某チェーン店でシンプルな犯罪行為をしていたらしい。誰も詳しくは教えてくれなかった。多分主犯はくんちゃんだろう。

 

4日目、お昼をどーてーくんと食べる。童卒したときのこと、55時間ストをしたときのこと、全国遠征したときのことを教えてもらった。元読者としてとても嬉しかった。

夜はGZONEさん、アマちゃんさんと合流。明太子は女の子もクラスタもみんな優しい。ストは1声目で運良く即。モデルをやっていたが「謙遜」という概念を体得してなかったのでなんか萎えた。

この日から箱がちょい荒れ出した。

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どーてーとくんにくは本当に水着ガルバに行ってて面白かった。ブスしかいなかったらしい。意味ない。

まあそんなこと言いながらもGTでさらに2即してこの日はストのみハットをきめる。ヨネスケしたら友達のコンカフェ嬢も帰ってきて即れた。帰ってきた第一声がいま何回戦?だったので勝ち確だった。

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ちょい逆3ぽいこともできたよ✌️

 

最終日、ストでオナ猿とコンビ搬送するも負け。博多弁可愛かったっちゃから悲しいたい。🦎も5連敗で終わっちゃった。二条とオナ猿のリアルブレイキングダウンはまた別の機会にでも話そうかな。

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この日はみんなでカラオケに行った。お酒片手にスピッツから青空Jumping heartまで幅広くカバーしていく。めちゃめちゃ楽しかった。やっぱりクラスタっていいなと思った。

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別々の場所で育ったみんなが東京に集まりナンパを通じて出会い、できた輪に少しだけ混ざれた気がして幸せだった。

結局、合計6即でFin.

1ヶ月休んでたにしてはまずまずの結果に。

 

明太子は街が綺麗で、飯が美味しくて、女の子も可愛くて最高の街だった。(輩が絡んでくることを除けば)

またみんなで遠征したいな、それまでにどうか誰も捕まらないでいて欲しい。

リアコミュの誰にも話すことのできない最高の思い出。

 

次はどの街へ、、

 

 

🍏CM🍏

実際のところストナンもクラナンもオワコンだからXでナンパした方がいい。ぜひ下のリンクから購入を。↓

https://tips.jp/u/vo_nampa/a/pocopoco/pDzcGfbT

靴下の履き方

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数を積み重ねることに喜びを覚えると、加速度的に擦れは進む。たぶん一即一即が作業になってようやくナンパ師としては一人前。少なくとも僕の知る凄腕たちはみんなそんな風に見える。いちいち色ボケしていたらキリがないし、そういう人は淘汰されていく。男女の出会いではなくゲームとか競技と割り切って、定量的な成果のみに目を向けて、恋愛感情などの余分なものを排除しないと疲れるから皆、適応進化していく。

僕とて例外ではない。即はいつも同じような流れで、そこに特別な感情が湧くことは今では滅多にない。鈍感なフリを続けていたらいつのまにか本当に鈍感になっていた。知らず知らずのうちに浴びていた「非モテ」とか「女の代替可能性」とかそれっぽい言葉に侵されて、ありがとう以降メッセージを続けることもほとんどなくなった。執着からの解放を謳って始めた活動だから一応目的を達成している。

人間関係の大抵の悩みは期待しなければ解決する。先手を打つのだ、先にこちらから切れ。そうすれば傷つくことはない。希望の先の絶望に怯えるなら深入りするな。とどのつまり人生は孤独だ。そんな宗教的な盲信を続けているとどの出会いも静かにフェードアウトすることがデフォルトになる。

がしかし、そんな中でも訳もわからず心が動く出会いというものは存在する。ラットレースからの脱却を可能にする何かを秘めているかもしれないと期待してしまう子に出会い、ナンパ師としての取り繕った自分を完全に排除したくなるときがある。

 

また会いたいなと思う子が引っ越すのは初めてのことだった。大抵は食いつきがなかったり、自分が興味をなくしたりして二度と会わなくなるから、そんな風にどうしようもない理由で物理的に会えなくなることは初めての経験だった。だからかは分からないが、即りながらとても悲しかった。上記の例外的な出会いであったゆえに、出会えた喜びより、少しの時間で離れてしまうなら出会わない方がよかったとすら思ってしまった。本気でなんでもっと早く目の前に現れなかったんだとブチギレたくなった。

生産性のない話が好き。ペンギンは僕たちが生きてる間に空を飛べるようになるかとか、電車の窓から見たUFOの話とか、ダンゴムシとてんとう虫どっちが強いかとかよくそういう話をよく女の子とする。着地点もなく連想ゲームを続けるその無意味な時間が、即という刹那的な事象にマッチしている感じがして心地いいから自然とそういう話をしてしまう。

この日も靴下のスタイリッシュな履き方とかを話したけど、本音ではこの子とはそういう話をしたくなかった。会うのが最後であるという事実を受け入れているようで嫌だった。何かこの子の人となりが分かるような真剣な話がしたかった。でもその日以降会えないのは分かっていたからやはりそういう話に落ち着いた。

チンボ貸しのピエロでいることで均衡が保たれているその関係を崩してまで相手と深く繋がりたいと思うのは容易ではない。少し気を許した瞬間に現れるのは非モテと形容されてしまう自分。ただ一時的に繋がるに値する魅力の閾値を超えただけだという事実に直面する瞬間は何度も味わっても苦しい。

まだ1日だけ猶予があったから

「今日の夜も帰ってきたら困る?」

と聞くと

「うんーそれは困るかな。流石に準備しないと笑」

と返された。

真性グダが何かとか考えることなく素直に家に帰った。確かにそうだ、準備大変だよなって言い聞かせたし、これからも一生言い聞かせる。

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テレビ台も片付けられた、ダンボールが沢山積まれた部屋で2人で見るひつじのショーンはまあまあ面白かった。

って斜に構えてみても何故か無限に泣ける。

カップラーメンを2個も食べたのはなるべく多くのゴミを出したかったから。

 

 

味噌遠征の思い出🎡

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観覧車回れよ回れ想ひ出は 君には一日僕には一生

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナンパのために旅行するなんて馬鹿じゃない?そんなことを思っていた時期もあった。

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あの頃の自分はどこに行ったのだろう。そろそろ捜索願を出さないと大変なことになりそうだ。まあ、かなりの確率でもう手遅れなんだけど。

アシリパ一門で味噌遠征に行ってきた

アシリパ🦵「味噌、女の子可愛いし🟦箱もめっちゃ楽しいからみんなで遠征にいこう!」

レイン☔️「ひとなん!」

🦌で擦れ擦れの女と喋りすぎて心が擦り切れてしまっていた僕は二つ返事で快諾したのを覚えている。僕にとっては初めての遠征。

旅行っていつもやることなくなるから正直あんまり好きじゃない。けど、遠征ならひたすらナンパしてクラスタと飲むだけだから何も考えなくて楽だ。わーい。

 

味噌イン。一番乗り。味噌カツを食べる。早速Sストに出よう。絶対にボズりたくないからね。

と思っているとたまたま同じ時に遠征に来ていた帝都クラスタの布袋んから連絡が、

布袋ん「お風呂いこう🛀」

僕はお金がなかったので正直渋っていたが、なんとついていくと綺麗なお風呂にとてもオトクな価格で入ることができた(無料)。しかも、布袋んさん達が泊まってるホテルではないらしい🤔

さすが全国各地で遠征しているだけあって色々なことを知っている。建造物侵入罪に問われないか怯えながらも、体を綺麗にしてしっかり整うことができた。よし、出撃‼️

黒が始まる時間まで声をかけるも意味のないブメを仕込むだけ。ブメを3つも仕込んだ。ドッチビーで鍛えた練習の成果を。

アシリパ一門のみんなはストの良さを理解してくれない

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アイスくん🧊「スト意味ある?あ、パスはちょーだいな」

よのすけ💩「Sスト?いいえ?するわけない」

ジョン🎯「スト意味ないて、はよ箱でれいすいしよや」

くぅー‼️

ストはボズ、みんなで黒に入る🐦‍⬛

🦌よりちょっと広いくらいの箱。曲もちょっと似てる。けど男女比はまあまあ終わってて常連箱。ドリチケは2枚だけどそのうち1枚レッドブルだけ買えるという意味のないチケット。

最強のちっちゃくてかわいいローラーするもなかなか連れ出せない。そして、門長とアイスくん、ジョンが続々と連れ出していく。

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遠征坊主か、と諦めて黒をばったい。みんなで青に行くまでの間にGTをする。そこでなんとか1即を確保。あまり思い出したくない。なぜなら今年5本の指に入るスト低。可食の広さに感謝しよう。

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味噌クラスタのサイヤさんと合流

🥦「いいえ?しになさい?」

しか言わないからあんまり会話ができない

そして青イン。ディ◯ニーランドのアトラクションみたいな並び方してんけど、舐めてる❓

中はかなり広い。🦌の2倍くらい。なんかローラーに疲れた人のために広めの喫煙ルームが用意されてる。音楽は非常に🦌に近くて良い。

中で昔🐙に遠征に来ていたときの味噌クラスタの方々と合流。🦌ハットで寝たきりにされたらりゅうくんとか僕の実の兄のアムロくんはさらにかっこよくなってた。

留年一門のたろうまるくんはバトル烏龍茶を奢ってくれた。それをゴクゴク飲んだらサイヤと共にローラー。

それなりに喋れる‼️味噌の子は🐙の子より会話が続くからとても楽しいクラナンが出来る。それゆえ損切りの基準が難しくはあるんやけどね。

5声目くらいで即系っぽい2人組ヒット。サイヤととんでもなく和む。しかし、僕が世界でもっも嫌いなG✌️に行くグダを彷彿とさせる、朝黒に行くグダを崩せずブメに回す。

朝8時まで箱行く暇あるならzip見ろバカ

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その後も2人でローラーしてると急にサイヤが敵に寝返る。1人でいた時に声かけた子からブメが来たと言われ、どっかいく。

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くぅー‼️これは🦌累計55即8連勝 センター英語リスニング99点の力を見せつけるしかないと本気モード。なんとか閉店後にブメで高身長案件を即。2即目。

人生初の箱即を決めてウキウキのサイヤくんとまた合流して朝黒のブメを待つ。

とっても美味しいコンビニ飯を教えてもらった。これは令和の革命かもしれない。f:id:pua_4u:20231231035645j:image

ナンパに関する熱い議論を交わしながら8時まで待ってブメで4乱。とはいかず、片方しか返ってこなかったので正3即。1日目ハット。案件と一緒に就寝する🛌

2日目は味噌煮込みうどんを食べた後、一門のみんなでサウナ。ベイルくんは絶対にみんなよりワンテンポ行動が遅くて可愛かった。

そしてみんなで飲み会‼️

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イサギvsレインのナンパ対決が勃発?ってときにイサギの口から出たセリフにみんなが感動してた

イサギ⚽️「俺の成功の最後の欠片は俺のいる未来に誰にも追いつく時間を与えない直撃蹴弾だ‼️」

一休くんはスト値が7.5→8になった代わりにトーク値が2→1.6になってた。

みんなでご馳走様をして、この日も黒へ。

ピカチュウさんはめっちゃイケメンやった。塩酸を精製してこなかったことを後悔。

ナンパに関して言うと、昨日の反省を活かしてばったいしやすいように近くのロッカーに荷物を入れた。そのおかげで昨日よりスムーズにばったいできたよ🥴

二条くんが勝っててすごかったけどそんなこと気にせず、昨日と同じようにSGTを始める。

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たまたまいたますだpuaとコンビでGTをする。

デスロードの空気が悪すぎたので南下して普通の人を探す

ワイ「え!なに路上ライブしてるの!🎸」

🙎‍♀️「そう!わたし事務所に入ってるの。名前はあいみょんっていうの。」

やっと普通の人に出会えた。寒いやんのゴリ押しで2:2ほてはん。

からのますだがあいみょんを神セパ。相方のタイプ値高い方をつつがなく即。ますだくんがあいみょんを30分ホールドしてくれた。彼は本当に優しい。

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その後、2人で青に入ろうとすると、顔グダで4000円ですゲスト使えませんとか言われたので入るのをやめる。朝までGTするもボズ。

中では、布袋んさんの青リアルラストダンス出禁ライブとヤリラに叱責される世之助と、故どーてーくんのおしっこをみんなが飲むところと、ジョンのベイブレードローラーなどカオスな風景が広がっていたらしい。4000円ではあまりにも安すぎる。これから遠征ではお金をケチらないようにしよう。

1日目3即、2日目1即の合計4即でFin

ワイとレイン以外、連泊してたのはどういうこと?あとジョンは青ハットするまで味噌に住むらしい。

色んな人に出会えたし何よりナンパ尽くしで本当に本当に楽しかった最高の思い出。

次はどの街へ、、

100即して

誰にだって、足音なんか気にしないで玄関をヒールで飛び出した夜がある。自分にとってのそれは、夜の繁華街へと足を運び、出会いを求めた日々。

いつも通り電車で1時間ほどかけて眠らない街へと向かう。途中、トンネルを抜けると車窓から見える大阪平野の夜景は息を呑むほど綺麗で、毎日見ても全く飽きなかった。そのビル群は、人が紡いできた歴史が感じられる京都のそれとはまた違って、急に立ち現れたかのような文明的な美しさがあった。「夜景は誰かの残業で出来ている」とはよく言ったもので、車内の疲弊したサラリーマンを見るたびに、こんな遊び方ができるのも今だけなのかなとか将来働きたくないなとかそんなことを何度も考えた。誰かに会う予定があるわけでもなく、何時に帰るか決めているわけでもないのに電車に揺られて遥々遠くの街へ向かうことは、いくら繰り返しても不思議な感覚がした。

いつもの駅で降りると、見慣れた橋の景色。混沌という言葉以外で形容することのできないこの橋でどれくらいの出会いが生まれたのだろう。初めて訪れたとき、そんなことを思った。他の観光客と同じように、ネオンサインに興奮してポーズを真似して写真を撮った日が懐かしい。ここには沢山の人がいる。各々の事情でこの街にやってきた皆がこの橋を通る。この街で起こる全ての出来事を静かに見守り続けているかのような、この街に生きる全ての人々を最終的に受け入れてくれるかのような、そんな堂々とした、清濁合わせ呑むこの橋が好きだ。

この街で経験したことに思いを馳せてみると、色々な景色が浮かんでくる。靴の裏が擦り切れるほど歩いた大通り沿いのあの道。夜の世界特有の生々しさで溢れたあの裏通り。何度も同じ缶チューハイを飲んだ年齢確認のいらないあのコンビニ。商店街を颯爽と駆け抜けるスケボー少年を横目に、何度も通ったクラブ。終わった後いつもみんなでワイワイ食べたまぜそば屋。いつも同じようなところで遊んでいた気がする。それは、まだこの街に対する微かな恐怖心が残っていることの現れなのか。それとも誰かと一緒に過ごした思い出に縋っていたいからなのか。それとも、、

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大学に入学してからずっと、漠然とした空虚さを感じていた。通学してバイトして帰るだけの普通の日々。自分は特別な存在だとか思っていた訳じゃないけど、やっぱり奇想天外なキャンパスライフみたいなものへの期待があって、それに比べたらこの生活って質素だなみたいな思いがあった。そんなことを思いながらも、このまま特に何もなく卒業して就職していくんだろうなとか考えながら惰性で生きていた。当然恋人もできなかった。そんな退屈を埋めてくれたのは、『ナンパ』だった。きっかけは、実際に街で目にしたナンパ師か、SNSで発信する恋愛業者の広告か、あるいは書店で立ち読みした恋愛工学の本のいずれかだった気がする。学校に貼られた知的好奇心を唆る類のチラシには全く惹かれなかった自分だったが、出会ってすぐにやりたいと思ったことを覚えている。紆余曲折あって街に出始めたのだが、声をかけるという行為は、想像しなかったほどに世界を広げ、価値観を変貌させ、多くの人物を日常に登場させてくれた。

凝ったオープナーが使われたYouTubeの声かけ動画に魅了されたのは事実だけど、いざ自分が声をかけるとなるとそこまでピエロにはなりきれなかった。主に第一声は「おつかれ!」間髪入れずに気温の共感、「今日、寒くない?」ほとんどは無視されるけど、会話に応じてくれる優しい人もいる。「俺いまバイト終わり散歩しててんけど、そしたら散歩仲間見つけて、嬉しくて声かけちゃった!」自然なのか不自然なのか分からない状況開示。あくまでも散歩してたら可愛い子がいてフラッと声をかけた設定。適当な連れ出し理由をつけて歩き出す。「彼氏とかいないのー?」「えー俺も彼氏いない!」100回以上使ったテンプレ、体感70%くらいウケる。「就活終わったし、彼女もおらんからたまに声かけるー」こんな適当な嘘の自己開示で警戒心は解けていたのだろうか。「結婚相手見極めるためにも、沢山の男見とくの大事じゃない?」「遊べるのって今の若いうちだけよね」誰かのノートに書かれていた価値観トーク丸パクリ。形式的な理由付けは今後の展開の正当化。「30分だけデートしよ」しれっと個室搬送。ギラついて即。いつものルーティン。クラブでも自己開示が減って、テンションが高めになるだけでそんなに変わらない。

様々な場所、時間帯で出会いを求め続けた。しばらく活動を続けていると、同じ目的で街に出る友だちもできるようになった。出撃の度に男女問わず誰かとの出会いがあり毎日が刺激的だった。色々な景色が浮かんでくるけど、それは誰との思い出だっただろうか?

吐く息が白くなってきた頃、連れ出し先でお互い顔の半分以上をマフラーに埋めてベンチに座り、半分ずつ飲むコンビニのココアは本当に体に沁みた。街をクリスマスカラーに染めるイルミネーションはさっきまで他人だった誰かと恋人ごっこをして一緒に見ても綺麗だった。冬はほとんどの人が消える修羅の季節だとか言いながらあの人は暖かくなるまで毎日街にいた。寒空の中、グリコサインの下で始発までナンパについて語り合った大好きなクラスタは、就職するや否や彼女を作って活動を辞めてしまった。初めて行ったクラブでは異世界のような光景に尻込みし、オレンジジュースをストローで1時間かけて飲んだだけで声をかけられずに終わった。

春先の鴨川の河川敷に連れ出した子と座りながら、高校時代はここで当時の彼女と手を繋ぐことすらできなかったなとか懐かしい気持ちになった。梅雨の頃、キセクと水族館に行ったけど、好きになりそうでそれ以降会うのをやめた。梅田のホテルに宿泊した後解散し、高層ビル群に向かって小さくなっていく女の子の背中を見つめていたその時、シティーボーイになれた気がした。夏前にヨネスケした白を基調としたあの子の綺麗な部屋を思い出すためにはAvicciのDear Boyを聞けば十分だった。キセクにもらったシンプルなデザインのパーカーを着てクラブに行ったら、たまたま遭遇してこっ酷く叱られた。

夏休みの数追いはしんどかったけど馬鹿みたいに楽しかった。チャリの後ろに乗って夜風に吹かれながら駆け抜けた心斎橋筋商店街の景色は、特にいつもと変わらないけど一生忘れないような気がした。ほとんど毎日みんなとクラブに通ったけど、結局最後まで、ひよこからの東京の意味は分からなかったし、カミカゼが一気飲みできるようにはならなかった。朝、みんなで食べた1000円の塩味のまぜそばは負けた悔しさを浄化するほど美味しかった。泣きながら身の上話をしてくれた純粋そうな子が友だちのクラスタにも即られていたと知り、同情したことが馬鹿馬鹿しく思えた。担当のために出稼ぎに行かなきゃと話す同い年のキセクに、性愛の多様さを教わった。一門と称して結成した仲良し集団での飲み会、カラオケ全部楽しかった。ハロウィンの日に街を這いずり回った挙句出会えたチャイナドレスのあの子は、いつまでも訛っていて欲しいなと思った。

列挙しきれない。即、連れ出し、アポ、クラスタとの出会いの数だけ思い出がある。

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当初は、手遅れになる前に女攻略に取り組もうとか非モテの自分を変えたいとかそんな大層な志があった気がするけど、街に知り合いが増えるたびにそんな思いは消えていき、単純に誰かに会える嬉しさを動機に街に出ていた。わかさぎという名前を名乗っている時だけ、街の全てが出会いの場となり、遊び場となる。そんな日々が心から楽しかった。元々何もなかったに等しい自分の大学生活は無数の匿名的、刹那的な出会いで満たされていった。

「こんな風にじゃ無くて普通に出会いたかったな」ある日キセクに苦笑しながら言われた。

普通の出会いとはなんだろう?ナンパという非日常が日常になりつつある時ふと思った。

ナンパして声をかけることで始まる出会いは作為的で、おそらく普通ではない。少しだけ一緒に散歩してまた会おうとLINEを交換したけど既読無視されて関係は終わる。一度は心を許してくれて、今度はお昼に会おうと約束するも叶わずキセクとの関係は切れる。クラブで出会い互いの身の上話をして盛り上がるも連れ出し打診をした瞬間に破綻して、その子と二度と会うことはなくなってさよなら。運命の安売りによって無理に生み出された関係は当然儚い。例え本当に運命の出会いだったとしても。

クラスタとの関係もそう。夜通しコンビするほど仲が良かったのに、引っ越して二度と会えなくなる。地蔵トークを何度もしたのに、急に引退して別れの言葉も無しに疎遠になってしまう。一緒に手遊びする仲なのに唐突のラストダンス宣言。Twitterを通じて知り合った仲は、ナンパという趣味のための一時的な関係という向きが強く、どの日が最後に会う日になるかは分からない。ナンパという継続が難しい趣味なら尚更そうだ。女の子もクラスタも自分の前に現れては去っていく。多幸感の裏で、夜の街で目まぐるしいスピードで出会いと別れを繰り返す日々に意味はあるのか何度も自分に問いたくなった。

ナンパ以外の出会いに目を向けてみる。学校、習い事、バイト先など様々なコミュニティでの出会い。偶然にも同じ集団に属し、同じ目的で何かをするいわゆるリアコミュと呼ばれるそんな関係。これらは確かに普通の出会い方と言える。けど、永遠に続く強固なものだと言い切ることはできない。小中高の同級生で連絡を取っているのは両手に収まる数くらいしかいない。月1で会うとなると数人もいない。一度同じ校舎で学んだ仲でさえ、卒業したら別れるのは一瞬。一生の親友と双方が信じてやまなくても、物理的に距離が離れてしまえばお互いを思うことも会うこともほとんどなくなる。みんな偶然に再開すれば挨拶くらいは交わすんだろうけど、同じコミュニティに属していることによる共通言語を無くしたその関係は、出会った当初のものと異なりコミュニケーションにどこかぎこちなさがあり寂しい気持ちになる。

ナンパで生まれる脆い関係から少し離れて、いわゆる普通の出会い方に目を向けてみたけど、結局その関係もいつかは終わりが来るし永遠に続く関係ではない。人間関係はどんな始まり方をしたとしてもマクロな視点で見れば刹那的であり、不完全である。ナンパを通じて出会い別れをくり返すうちに、人との関係はそもそもどこか物足りなさを感じるうちに終わってしまうものだと気づいてしまった。

自分のことを誰かに心から理解してもらいたいし、誰かとずっと繋がっていたい。けど、きっとそれは無理なんだろう。悲しくも結局辿り着くのは孤独なのかもしれない。それなら、初めから誰かと分かり合おうとすることを諦めれば傷つかなくて済むんじゃないか?いや、それは違う。誰かの人生に一瞬でも登場できることそれだけで、言いようのない嬉しさがあるし、やっぱり人と関わることをやめたら人間らしさを無くしてしまう。ナンパを通じて、人間関係とは何かについて考える機会が増えたけど、いつもこのような堂々巡りに陥ってしまう。

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この1年間の出会いは過ぎ去っていったもので、今何が残っているかと言われれば何もない。でもその時々で感じた、嬉しさとか悲しさとかそういったものは一瞬であれ人生を彩ったものであるから、できるだけ忘れないようにしたいし、これからある出会いに関してもそうしていきたい。そんな瞬間をたまに思い出しながら少しでも孤独を誤魔化して生きていくのが人生のような気がする。

きっと何も考えずにセックス気持ちいいな、とか考えながら街に出るのがナンパ師としては正解なんだと思うけど、あらゆることに意味を抽出したがる非モテみたいな性格は、100即しても抜けなかったようでそうはいかない。人間関係ってなんだろう?恋愛ってなんだろう?リアルがどのようなものであるか知るのにつれて、性愛に対する解像度が上昇して、考えなくてもいいような問いが頭の中を渦巻く。即れるようになるにつれて自分の存在の小ささを知る。この1年間、まだ10代だからとか言って若さを免罪符にして、思考を放棄してきた。「俺らはまだ若いからどうにでもなるよ」そう言って何度も同い年のクラスタと笑い合ったけど、いつかそれが通用しなくなる日も来る。このままでいいような気もするけどきっと駄目。正解はないから自分なりの答えを見つけなくちゃいけない。

まだ分からないことが沢山あるから、人と関わることを辞めるわけにはいかない。そんなことを理由にして恐らく街にはまだ出続けるんだろうな。

端緒

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「お姉さん!これ落としましたよ!」

進学で上京した親友に久々に会うために僕は東京を訪れた。混沌とした日本一の繁華街を初めて歩いたとき一際印象に残ったのは、夜の歓楽街を彩る仰々しいネオンサインでも、京都にあるどの建物よりも高いビルでも、目眩がするほどの人の多さでもなく、街を闊歩する何者かから発せられたこの一言。

猫缶を片手にしらみ潰しに女性に声を掛け街を彷徨う彼の姿は、異質という言葉で片付けることなどできなかった。筆舌に尽くし難いほどの衝撃で、これまでの常識を跡形もなく破壊した。聞いたことはあったが実際にこの目で見たのは初めてのことだったからだ。

いわゆる、ナンパ師。

街で女性に話しかけて出会いを生み出し

洗練されたトーク、容姿で女性を魅了し

最短距離で深い関係になる

そんなことを目指す人たちのこと。

周囲の人は皆彼に冷たい眼差しを向けていた。それは親友も同じだった。もし僕も似たような反応をして彼を視界の外に追いやっていれば、このことは東京旅行の土産話の一つになっていたに過ぎないのだろう。しかし結果的にそうはならずこの出会いは僕の人生を大きく変えるものとなった。

僕は彼の声掛けに魅せられた。

机に向かい続ける予定調和で閉塞的な日常を打破する何かを漠然と探していた。無難であることが正義とされる機械的な生活から逃避したかった。そんな時だった。変化を起こすならこれしかない!そう確信した。できるかどうかより、やりたいという気持ちが大きかった。子供の頃の未知のものに対する純粋な好奇心に似た感情が生じていたからだ。

女性経験にも疎く真剣に人を愛したこともなかった。高校時代に出来た彼女との日々は紛れもなく承認欲求のための恋愛ごっこにすぎなかったし、進学しても特段自分を愛してくれる人と巡り会うことはなかった。生きている以上性愛から逃れられないとは分かっていたが、現状では他人を羨むことしかできない。そんな自分を変えたいという気持ちも大きくあった。

街に出るまでには多くの時間を有した。指先でスワイプするだけで異性と出会えるこの時代に、恥も外聞もかなぐり捨ててまで無秩序に街で出会いを創出しようとする意味など無い。そう保守的になる自分を説得することは容易ではなかった。しばらくして、Twitter上で密かに策動し続ける師たちの姿を認知しても、人に迷惑をかけまいと生きてきた少年の一歩を踏み出す手助けにはならなかった。

自分が踏み込めるような世界ではない。そこまで躍起にならなくても、そのうち自分を愛してくれる人が現れて、真実の愛が何たるかについて旧友と語り合える日が来るだろう。そんな呑気なことを考え、若さを浪費し日々を過ごした。その間、用語やトークスクリプトなどの知識が増えていくだけで特に何も起こらなかった。気になるあの子には彼氏がいることが分かった。東京住みの親友はいつの間にか愛する人を見つけていた。

踏ん切りがついたのは、アプリで出会った子に足蹴にされながらもその状態に心酔していた自分に気がついた時。無視されないだけマシだと、偶然繋がれたその子に媚びていたら、大した異性絡みのイベントもなく夏休みも残すところ一週間となっていた。隠喩だらけの片思いソングを聴きながら、メッセージ画面を食い入るように見つめる弱々しい自分に遂に嫌気が差した。どこかで暗躍しているナンパ師たちが高らかに成果を報告する様を、指を咥えて見るだけの日々はもうやめにしたい。声をかけるだけで何かが変わるかもしれないならその可能性に賭けてみよう。生まれてから背負い続けている忌々しい肩書を捨てるまでなら、と街に出ることを決意したのは十八の夏終わりだった。

 

「おつかれ!あの、歩幅めっちゃタイプ!笑」

お気に入りの台詞一つを拵えて僕は街に飛び出した。そこには待っていたのは想定していたよりも残酷な現実。誰も僕の話を聞いてくれないし、目も向けてくれない。街を行き交う数多の女に無視される経験など当然初めてで、何度も逃げ出したい衝動に駆られた。自分は街の誰にも必要とされていない、全員に敵視されている存在のように思えた。自尊心を激しく傷つけられ、感じたことのない屈辱を味わったが、出会いがないと嘆くだけで何もせず、若さを無駄にするよりマシだと街を必死に這いずり周った。

「何それ笑」

足を止めて話を聞いてくれる人が初めて現れた。彼女は仕事帰りで疲れているにも関わらず、街を徘徊する不甲斐ない男の言葉に耳を傾けてくれた。

「仕事疲れたでしょ?アイスでも食べよ笑」

「えー笑 別にいいけど。」

話を聞くと楽器の演奏者をしているらしい。楽器だけでは食べていくのが難しく、居酒屋のバイトを掛け持ちしていること、勉強が苦手でよく学生時代は課題を友達に手伝ってもらっていたこと、結局は仲良い友達と2人で遊ぶのが落ち着くことなど、様々なことを赤裸々に語ってくれた。

先程まで他人だった人とお互いの近況を話すという初めての経験が何だか可笑しく感じて思わず笑みが溢れた。そのときの僕は全てが辿々しかったと思う。発せられるユーモアは台詞のようで機械的だったし、年齢詐称も徹底しておらず会話に齟齬が沢山あった。さらに、自分から飲みに誘ったわりにお酒は飲み慣れておらずすぐ顔を赤らめ、その癖ホテルの場所はちゃっかり把握していて下心が露呈していた。それにも関わらず、彼女は僕の全て提案に快く応じてくれた。そんな彼女を二人だけの空間に誘うのは容易いことだった。

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「おかげで、明日からも仕事頑張れそう笑」

初めての経験だと悟られてはいけない。普段から遊び慣れている男を演じなければいけない。ずっとそう思い、偽りの自分を作り上げることに必死だったので正直楽しむことは出来なかった。にも関わらず、彼女のあの笑顔は本物だったと思う。改札で小さくなる後ろ姿を見送ったときの感情は未だに言葉で表すことは出来ない。

達成感の一言でまとめてしまってはあまりにも稚拙。何かとんでもない世界の秘密に気づいてしまったような。取り返しのつかないことをしてしまったような。呆気に取られてその日は帰路についた。冷めやらぬ興奮は紛れもなく自分の手で一から作り出した出会いによるものだった。こうして生まれて初めて女性と肌を重ねたのは街に出始めて四日目のことだった。

声を掛けるだけで女性と繋がることができるという迷信じみた言説は嘘ではなかった。もっと多くの人と繋がってみたい。そう思うのは当然であった。刹那的な関係をひたすらに重ねた先に見える景色がどのようなものであるか知りたい。どうせ暇な大学生活、若気の至りを免罪符に愛欲に溺れてみるのもいいかもしれない。一度きりの人生で後悔しないためには、明日からも街に出続ける必要がある。そう直感した。猫缶を持つ彼に衝撃を受けてから三ヶ月ほど経った頃の話である。